消えゆく 
 あとがき 
 今までたくさんの短編を書いてきたわけだけれど、今作はその中でも群を抜いて扱いづらい作品でした。

 なんというか、本当はこんな話になるはずじゃなかったのです。
『家出した少年が桜の下で女性と出会い、話をして、終わり』というどこか優しい物語にしようと思っていたのに、できあがってみたらあらびっくり。
 なんだこれは。
 書いては直し、書いては直しを繰り返している内にテーマが段々深くなり、作品に入り込んでしまったため描写も複雑になってしまいました。
 なにより月を狙っておいて火星を射抜いてしまったような描写たちにはがっくりです。まあ、この比喩もだいぶあれですが。
 詰め込みすぎはいけませんね。少し無理をしすぎました。

 ただ、気に入っていない、と言えば嘘となる作品です。久しぶりに6000字越えの作品を書いたこともあり、思い入れはあります。
 読み終わって、なにかが少しでも心に留まれば幸いです。では。


                                                      08/04/01 佐倉ユキ
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